システムデザイン研究科

インダストリアルアート学域

馬場 哲晃

最終更新日:2019/02/28

スキンシップを応用した芸術

インタフェース、デザイン、芸術、エンタテインメント、インタラクションデザイン

  • 馬場 哲晃

  • Tetsuaki Baba

研究概要

携帯電話やパソコンを生み出してきた科学技術がこれまで、利便性や効率性を追求してきたなか、馬場研究室では人の心や触れ合いを豊かにする科学技術の利用方法を研究。そして、身体接触を利用して音が鳴る楽器やゲームといった、エンタテインメントアプリケーションの開発を行っている。その代表的なものが、すでに商品化されている「フレクトリック・ドラムス(写真参照)」だ。これは、ユーザーがスキンシップをすることで楽器演奏が可能になる新感覚の電子楽器。演奏方法は、まずユーザーがフレクトリック・ドラムスを中央に囲むように立ち、それぞれが写真の四隅にある電極ノブを握る。そうすると微弱な電流が流れることにより、例えばAさんとBさんが手を合わせると「ド」、AさんとCさんが手を合わせると「レ」というように音が鳴り、1つの曲をスキンシップによって演奏できるようになっている。
「私は、楽器を演奏するのは他人とのコミュニケーションをとるためという役割があると思うのですが、その方法はもっとバリエーションに富んだほうがよいと思ってきました。例えば、すでにあるのものでは手拍子やアイコンタクト、ほかにもロックのライブのパフォーマンスだったら、演奏者が観客席へダイブするのもそうでしょう。これら一つ一つがコミュニケーション方法ではあるのですが、私はデジタル技術を使って新しいコミュニケーションの方法を提案することができないかと考えました」。
これまで、馬場研究室により様々なアイテムが開発されているが、中でもフレクトリック・ドラムスは幼稚園などを中心に人気を集めているほか、医療や介護業界現場からも注目されている。そのため、現在は少人数でも利用できるよう、2人用のフレクトリック・ドラムスも開発中だ。

最近のトピックス

今後の展望

「スキンシップを応用した芸術」研究の目的は、スキンシップを電子楽器に限らず、様々な分野で応用することだが、もっとも大きな目的は社会に対するメッセージだという。
「私たちは、人間社会の中でスキンシップによるコミュニケーションはもっと見直されるべきだと考えています。もともと、子どもの頃はスキンシップを使った遊びがいっぱいありました。例えば手遊び歌とか、鬼ごっこなど身体を動かして遊ぶものでも、身体に触れたりぶつかったり、あるいは押してみたりと、様々なスキンシップがあったはずです。このようにスキンシップはコミュニケーションの原点だと思うのですが、成長していき中学生くらいになると、スキンシップの機会が減っていきます。ですから、大人にもスキンシップというものをもう一度見直していただきたいというメッセージを、これからもどんどん発信していきたいです」。

木製の「フレクトリック・ドラムス」 木製の「フレクトリック・ドラムス」
相手とタッチすると、様々な音色を奏でることができる 相手とタッチすると、様々な音色を奏でることができる
電極ノブを5つに増やした「フレクトリック・ドラムス」 電極ノブを5つに増やした「フレクトリック・ドラムス」
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 玩具、エンタテインメント、福祉、医療

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