システムデザイン研究科

情報科学域

西内 信之

最終更新日:2019/02/28

生体特徴の偽造による「なりすまし」を防ぐためのバイオメトリック個人認証法の確立

生体認証、バイオメトリクス、なりすまし、セキュリティ、画像処理、ヒューマンインタフェース

  • 西内 信之

  • Nobuyuki Nishiuchi

研究概要

情報技術の発展に伴い、日常生活のなかでも個人認証を行う機会が増えてきた。従来は鍵・パスワード・暗証番号などの方法でセキュリティを図ってきたが、より精度の高い個人認証技術の確立が必要不可欠となってきている。
そこで近年では、バイオメトリック認証が急速に普及している。バイオメトリクスとは、人間の生体特徴である、指紋・静脈・虹彩などを計測し、個人認証に用いる技術である。鍵やパスワードなどと違い、紛失や忘却の恐れがなく、個人の身体的特徴のため、偽造が難しいという利点がある。
とはいえ、他人の生体特徴という情報を盗みだし、その人のふりをして行動する「なりすまし」など、バイオメトリクスにもセキュリティの問題は残っている。例えば、指紋認証であれば、残留指紋から人工的な指を作成し、既存のシステムをパスしてしまうという事例が報告されている。そこで西内研究室では、バイオメトリック認証における「なりすまし」防止のため、「人工物メトリクスを利用したハイブリッド型指紋認証法」と「指の屈伸運動を利用した個人認証法」の研究を行っている。
「人工物メトリクスを利用したハイブリッド型指紋認証法」とは、人工物の固有パターンを用いて認証を行う人工物、メトリクスを用いた認証法で、人工物を爪の表面に接着し、指紋の照合、人工物の照合、さらに指紋と人工物の位置関係の照合を行うことによって、よりセキュリティ性を高めるシステムである。人工物の接着位置は、その時々でランダムになるため、指紋と人工物の情報が同時に盗まれたとしても「なりすまし」は非常に難しく、セキュリティに秀でたシステムといえる。
「指の屈伸運動を利用した個人認証法」とは、認証装置の中に指を入れ、指を曲げる動きを連続的に撮影し、その形状パターンから個人の認証を行う技術である。人間の行動や癖を利用したバイオメトリック認証は、「なりすまし」は難しいが、認証動作の再現性が低いという欠点があった。そこで、再現性の高い指の屈伸運動に着目している。三次元的な可動式の偽指の作成は非常に困難であり、かなりの高確率で「なりすまし」を防止することが可能になる。

最近のトピックス

今後の展望

よりセキュリティを高めるために、バイオメトリクスを用いた個人認証システムの研究をさらに進めていく。
現在、「指の屈伸運動を利用した個人認証法」にプラスして、近赤外線を用いて屈伸運動時の静脈認証を行うシステムを開発している。指の屈伸運動の情報と同時に静脈の情報を登録することで、より偽造は困難になり、「なりすまし」が防止される。
バイオメトリクスによる個人認証法は、短期のセキュリティにも対応が可能であるため、今後、パソコンのログイン管理・自動車のセキュリティ・アミューズメントパークの入出管理・ホテルのルームキー・部屋や建物の入退室の管理など、様々な場面に応用できると考えている。

人工物メトリクス 人工物メトリクス
指紋と人工物のパターンマッチング 指紋と人工物のパターンマッチング
近赤外線を用いた屈伸運動時の静脈認証 近赤外線を用いた屈伸運動時の静脈認証
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 バイオメトリクス、画像処理、ヒューマンインタフェース、ユーザビリティ

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