システムデザイン研究科

機械システム工学域

若山 修一

最終更新日:2019/02/28

マイクロクラックの動的検出に基づいた材料の長期信頼性保証

マイクロクラック、アコースティックエミッション、高温構造用セラミックス、生体材料、リサイクル

  • 若山 修一

  • Syuichi Wakayama

研究概要

材料が変形したり、き裂が生じたりする際に超音波が発生する現象をアコースティックエミッション(AE)といい、金属などの材料評価や原子力発電所、石油プラントなどの設備診断、航空機などの機器診断など幅広い分野で安全性や信頼性の向上に役立っている。
若山研究室では、主としてセラミックス材料の強度評価に利用している。セラミックスは、よく知られているようにもろい材料であり、力を加えていくといきなり割れそうに思われがちだが、実際にはマイクロクラック(微細なひび割れ)ができて、それが徐々に蓄積し最終的に壊れていく。セラミックスは優れた強度を持っているが、金属と違い、小さな傷から割れてしまうのが欠点である。しかし、目に見えない傷がないことを確認できれば、様々な場面で金属以上に能力を発揮する。
数年前より民間企業とセラミックスを用いた人工関節の共同研究に取り組んでいる。セラミックスは金属より腐食に強く、人工関節の材料として体に悪影響を与えないという利点があり、微細な傷さえ逃さず信頼性を確保すれば、最適な能力を発揮する。そこで、AE法による人工関節用バイオセラミックスの信頼性保証技術を開発し、製品化へ向けて前進している。
また、セラミックスは急加熱や急冷すると割れてしまう熱衝撃破壊を起こしやすい。若山研究室では、ディスク上試験片を均一に加熱し、中央のみを急冷する「Disc on Rod」というオリジナルな試験法を開発した。試験の際にはAE法で破壊に至るまでのマイクロクラックを検出でき、熱応力も測定可能である。これまで、電子機器やジェットエンジン用の材料の評価に利用し、新規耐熱材料や機器の開発のための研究を進めてきた。

最近のトピックス

今後の展望

生体内の骨格系等、医療への応用を目指し、疲労骨折の早期診断につながる研究に取り組んでいる。骨を繰り返し圧縮すると、徐々に損傷が蓄積して破壊するが、損傷から発生するAEを検出し、危険なAE(音)を判別することで骨折の危険度が検知できるような技術の開発を進めており、生体適合性を有する光ファイバーを用いたAE測定も視野に入れている。
また、最近では、柔軟な薄膜太陽電池の柔軟性評価にもAE法を応用している。薄膜太陽電池を折り曲げたときの損傷をAE法で検出し、発電特性の劣化と対応させることで、柔軟性の評価方法や、より柔軟な薄膜太陽電池の開発につながるように研究を続けている。ほかにも、使用済み活性炭を用いた導電性・熱伝導性を有する高分子系複合材料のAE法を用いた微視損傷評価に基づく長期信頼性向上に関する検討を行っている。

Disc on Rod 試験の概要 Disc on Rod 試験の概要
人工股関節 人工股関節
フレキシブル太陽電池 フレキシブル太陽電池
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 セラミックス、超硬合金、サーメット、高分子などの材料、特に力学的特性、非破壊検査、設備・機器診断

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