理学研究科

相垣 敏郎

最終更新日:2019/02/27

寿命を決める遺伝子の研究

ショウジョウバエ、ゲノム操作、薬剤スクリーニング、酸化ストレス感受性遺伝子、睡眠障害、寿命、パーキンソン病

  • 相垣 敏郎

  • Toshiro Aigaki

研究概要

寿命は様々な要因により決定されることが明白だが、遺伝学を駆使することにより遺伝子ごとの寿命に与える効果を信頼性の高い実験により検証している研究者がいる。「近年の遺伝子解析の発展により、ヒトの遺伝子数2万2千遺伝子に対し、ショウジョウバエは遺伝子数1万4千遺伝子であり、そのうち約7割が相同遺伝子であることがわかってきました。ショウジョウバエを実験モデルに用いる理由は、コストが安く、一度に多検体を扱えるからです。そこで、ショウジョウバエに特定の遺伝子を望んだ時期に、望んだ部位に発現させる技術や、逆に特定遺伝子だけを破壊する技術を開発・導入して、様々な指標の比較検討を行いました。そのうちの一つの実験が寿命に関する研究で、遺伝子の発現量を増やした実験により、通常のように発生し見た目も一見して変わらないにもかかわらず、寿命延長効果のある遺伝子を複数発見しました。そのほか、パーキンソン病や糖尿病などの疾患モデルを作製し、それらの症状を緩和する遺伝子や薬物の探索や評価など、ハエの利点を最大限に活用した様々な研究を展開しています」。
相垣研究室では、個別の現象の解析よりも、技術の発展に寄与することを目指しており、最近新しい技術を導入し、新たな研究分野を開拓している。「最近の新しい技術として、画像解析技術の導入による解析技術の向上ということがありました。インスリンはエネルギー調節を担い、体の大きさに反映される成長因子ですが、そのシグナル伝達経路は複雑です。そこで、遺伝子を改変したハエを一匹ずつ正確に体長測定する画像解析技術を導入しました。これにより、これまで研究者の目視ではわからなかった体長の変化の傾向を統計的に処理することができるようになりました。さらにこの技術を応用し、ハエの翅の模様の微妙な変化をも見逃さない、フェノーム解析に発展させようと狙っています」。

最近のトピックス

今後の展望

「現在、複数の遺伝子を同時に導入し発現させる技術を確立し、疾患モデル作製の効率化を目指しています。ショウジョウバエを用いた遺伝子機能解析、あるいは相垣研究室のショウジョウバエライブラリを活用した機能性食品や薬剤候補のスクリーニングや評価にご関心をお持ちの方は、ご相談ください」。

パーキンソン病や糖尿病などの疾患モデルをショウジョウバエを使って作製 パーキンソン病や糖尿病などの疾患モデルをショウジョウバエを使って作製
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 医薬品開発と評価、機能性食品素材と評価、疾患モデルの遺伝子レベル評価

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