都市環境科学研究科

都市基盤環境学域

河村 明

最終更新日:2019/02/28

精緻な洪水流出氾濫予測

都市流域、地物データGIS、洪水流出、氾濫予測

  • 河村 明

  • Akira Kawamura

  • 天口 英雄

  • Hideo Amakuchi

研究概要

 『水文学』または『水資源工学』が専門の河村明教授は、九州を代表する河川・筑後川流域の降雨流出をデータ化するなど、これまでにも注目を集めてきた。「しかし、地表には道路や建物で覆われ、地下にも人工物が多い都市部の水の動きを予測するのは、自然に囲まれた山地に比べて、はるかに難しいですね」。そう話す河村教授が現在取り組んでいるのが、都市型洪水流出・氾濫の予測モデル化。地物データGISを利用し、都市部での降雨の流出経路の忠実で精緻なモデル化を進めている。
 これまでも、各自治体や市町村には、洪水に関するハザードマップのようなものがあった。それを元に再開発も行われている。「でも、それでは不十分です」。そこで当研究室では地物データGISを元に、さらに1/2500地形図をデータベース化して、地上の建物、道路、地中の埋設物、駐車場など地物を用いた洪水流出解析モデルをつくることに成功した。「手始めとして、東京の神田川流域でモデル化をしてみました」。降雨時の水の浸透、不浸透の分布情報は、従来のメッシュ型土地利用図よりもさらに正確なものとなった。そればかりか地物データGISのメッシュをベースに、ごくごく限られたエリアの特定の水の流れをモデル化することも可能になっている。大まかな洪水危険地域を指し示すのではなく、同じ町内でも、地形や地表から地中までの総合的な構造によって、降雨の流出・氾濫の状況が異なることを、当研究室の浸水予測図では、画像によって把握することができる。

最近のトピックス

今後の展望

地物データGISを利用した都市の洪水流出・氾濫予測モデルは、今始まったばかり。増え続ける一方の都市型・局地型洪水被害を正確に予測できれば、公共事業や都市開発の効率化にもつながっていく。また、洪水ほど大きくは取り扱われないが、降雨がない時期に水枯れする現象もまた、都市の中小河川では、実は深刻な問題となっている。この水枯れのメカニズムも含めた、長期の水循環シミュレーションが、当研究室の研究ならば、画像で誰にでもわかりやすく公開できるようになりそうだ。「浸透性の高い道路、遊水や排水路の整備などのベースとして活用できるでしょう。さらに、ヒートアイランドを抑制するための緑地化のシミュレーションや計算にも利用できる研究です」。この研究は、都市の水利事業や都市特有の自然現象の抑制に多いに期待されている。

地物データGISを用いた都市流域のモデル化 地物データGISを用いた都市流域のモデル化
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 流域水循環問題、河川洪水予測、雨水流出抑制、環境低負荷型トイレ、渇水問題

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