システムデザイン研究科

機械システム工学域

武居 直行

最終更新日:2019/02/28

さまざまなロボットシステムの開発

アシストロボット、産業用ロボット、自動化、柔軟物、水中ロボット

  • 武居 直行

  • Naoyuki Takesue

研究概要 産業や人間の活動を支援するアシストロボットシステム
基本的に、自前で設計、開発、製作し、動かして、評価する

 基本的に、メカを最初から自前で設計、開発、製作し、動かして、評価する研究手法を採用。市販品はどうしても必要なモノに限定して、一からモノづくりをしている。
 研究領域としては大きく3つの分野がある。まず工場内の「パワーアシストロボット」だ。製品組立などで使う産業用ロボット高度化の一環であり、企業と共同研究している。2つめは「生体ロボット」。生体の動きを模して再現する分野だ。3つめは、人間が乗れる「移動ロボット/自律ロボット」。人間の活動領域を広げる分野だ。これら3分野を合わせ、さまざまな研究を進めている。
 具体的な研究事例としては、まず「重力補償機構を用いたロボットアーム」がある。工場内で重量物を持ち上げる装置だが、自重を支えるための大きなアクチュエータ等の仕組みが必要で、消費電力の増加や人が一緒に作業する際の暴走を回避する制御システムが課題となる。これをメカニカルな重力補償機構の設計によって解決を試みた。 「魚型ロボット」は、本物の魚のように水中を自在に泳ぐロボットで、研究開発シーズとして提案している。水中探査機や水質調査機の開発などに使える。現在、鳥の羽ばたきをヒントに空を飛ぶメカを開発中である。
 「水上パーソナルビークル」は人間の体重移動を加速度や力センサで検知して進む。人間自身の活動や作業する場所を広げることが可能。イメージは水蜘蛛である。現在、工場内で使える車輪移動ロボットの研究に着手している。
 対象となる研究のレベルは、教育という観点も踏まえて、初歩から最先端のことまで幅広い。たとえば、モータの電流の計測から始まり、人が操作時に加える力をセンサで読み取り、目的は微調整なのか手ぶれ補正なのかを判定するシステムもある。後者は大手自動車工場のパワーアシストシステムで採用され、車の窓ガラス等を正確かつ安全に一度で装着する作業を要員1人で対応できるようにした。
 産学公連携の多い分野であり、企業のニーズを聞き前向きに検討している。実際、現場ではロボット化と人手を組み合わせた工程が数多く残っている。自動車や電気関連企業の部品組み立て設備について、機能面だけでなく、新規設置に係わる微調整時間の効率化の相談まである。日本企業は現在、海外での工場設置が多いが、ロボット化の研究が進めば、工場が日本へ戻る可能性はあると考えている。
 熟練技能者の触覚、力覚、経験値に関する相談もある。たとえば、過去には「触覚コンタクトレンズ」を開発した。剣山のようなトゲを持つシートで、人の手の触覚感度を増幅してくれる。繊細な感覚を持つ金型職人が必ず軍手を装着することをヒントに研究をしたものだ。

最近のトピックス

今後の展望 東京・多摩地区の中小企業と連携したい

 メカと制御は両輪であると同時に、ニーズとシーズも両輪である。現場のニーズをしっかり把握して解決しつつ、次代のシーズとなるものを開発していきたい。今後も常に、問題を解決するための本質を見失わないようにしながら、研究を進めていくことが大事だと考えている。そういう意味では、産学公連携にも積極的に対応していきたい。特に、地元、東京・多摩地区の中小企業との連携を果たしたいと考えている。

可変重力補償機構<br />ロボットのアームにかかる重力をメカニカルな仕組みで重力を補償する仕組み 可変重力補償機構
ロボットのアームにかかる重力をメカニカルな仕組みで重力を補償する仕組み
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 企業の部品、機械の組立用ロボット、工場設備ラインの設計をはじめ、新しい機械・機器の創造など、さまざまなニーズについての相談。

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