システムデザイン研究科

機械システム工学域

楊 明

最終更新日:2019/02/28

マイクロデバイスの創成および生化学分析、医療分野への応用

マイクロ塑性加工、表面処理、ナノ物性評価

  • 楊 明

  • Yang Ming

研究概要

MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)は、半導体製造技術から発展した。近年、樹脂材料などの加工技術によるバイオ、医療分野への応用が注目されているなか、楊教授は、この微細な世界に専門の金属加工の技術を応用させて、世界の注目を集めている。「金属は強度も、精度や量産性も、樹脂より優れています。また、ステンレスやチタンのような金属は、人体への影響が小さいのも魅力です」。ただし、ミクロレベル、ナノレベルでの金属加工となると、その難易度はミリレベルの加工よりもはるかに高くなる。それでも金属にこだわり、精密な金型作り技術、マイクロ成形に適した加工プロセスの研究開発を行ってきた。超微小金属部品の製造技術を結集することで、大きさ10mm程度のポンプの試作に成功している。「ほんの少しの血液から生化学分析ができる装置として使えそうです。さらに小さくなれば、人体の様々な部分へ送って、病巣部に直接薬剤を投与する装置としても利用できるかもしれません」。楊教授は超小型ポンプの医療分野での活躍を示唆するが、実現すれば、患者の人体への負担の軽減と、高い精度の医療が達成できるだろう。医療の分野以外にも、マイクロバイオ分析や小型燃料電池や超小型ポンプなどの分野への発展性は高い。
最近、マイクロとナノ技術を融合することにより、高機能なマイクロバイオ分析の研究開発を行っている。樹脂材料のマイクロな転写加工及びその構造体表面に垂直配向カーボンナノチューブを転写し、自己組織化させることにより、廉価かつ高効率なマイクロバイオ分析を可能なデバイスを研究開発し、迅速かつ高感度なインフルエンザなどの感染症検査への適用を進めている。

最近のトピックス

今後の展望

MEMS技術が高付加価値ものづくり技術として、今後益々注目され、その応用が各分野へ拡大すると予想される。今後、半導体加工技術では対応が困難である分野において、そのニーズに応じた材料・加工手法の選択、あるいは加工技術の融合が不可欠となる。金型を用いた成形加工技術は材料の選択性が広く、高効率かつ設備少ない投資などのメリットがマイクロなものづくりにおいても、必ず重要な要素技術となる。医療の分野において、安全性、生体適合性など観点からものづくりが重要であり、バイオ分析の分野では、耐腐食性かつ廉価でディスポーザブルなデバイスが求められるなど、今後マイクロ成形加工技術をさらに高精度化していくことにより、高品質かつ廉価なマイクロ成形技術を開発していくことにより、MEMSにおける成形加工技術が確立するのであろう。

上:一体成形システムによるマイクロポンプの創製
下左:Φ10mm程度の金属材料マイクロポンプの試作品
下右:樹脂材料マイクロ流路中にMWCNTsへの転写、自己組織化による数μm程度の表面構造の形成 上:一体成形システムによるマイクロポンプの創製 下左:Φ10mm程度の金属材料マイクロポンプの試作品 下右:樹脂材料マイクロ流路中にMWCNTsへの転写、自己組織化による数μm程度の表面構造の形成
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 マイクロ金属成形、マイクロ金型の表面処理

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