都市環境科学研究科

都市システム科学域

星 旦二

都市の健康

高齢者の健康長寿、高校生の健康行動、ヘルスプロモーション、住民参画

  • 星 旦二

  • Tanji Hoshi

研究概要

「星研究室の平均寿命に関する調査から、山間部や無医村等の地域が健康長寿傾向で、これは投薬によるC型肝炎が発症せず、がんにならないということが理由の一つと考えられます」。
ほかに、無医村という過酷な現実が、住む人々の医療への依存心を抑制し、生活のなかで健康を育んできたことも注目される。
「寿命という観点では、便利な都市部は比較的短命で、長野と沖縄が長寿県なのです」。
健康長寿に必要な要素として①小太り、②コレステロールが少々高め、③前向きに生きようとする力、の3つが挙げられる。「高齢者の就労率が高い長野県は『ピンピンコロリの高齢者』が、病院や特別養護老人ホームの数が際立って多い沖縄県は『ネンネンコロリの高齢者』が多い。ピンピンコロリは寿命が尽きるまで元気で健康的な生活を送りますが、ネンネンコロリは寝たきり生活が長い。仮に寿命が同じでも、内容はまったく異なります」。
前向きで、自立度の高い高齢者の日々の暮らしこそが、健康かつ長寿のポイントと、星研究室は指摘する。
「高齢者が、自立した生活を送るために必要なものは、今後『ヘルスプロモーション』という考え方が大きく影響してくるでしょう」。ヘルスプロモーションとは、「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義されている。
「高齢者が自立し、自分らしい生活を送る主役となるには、例えば『ヨメに財布を渡さない』『1年に1度は新しい場所へ旅行してみる』等、高齢者自身が心身ともに健やかであることが必要です。従来のように医療のみに頼らず、高齢者の生活全体から健康長寿を支える取り組みは、今後の日本にとっても重要度が高まるでしょう」。地域住民と行政が、密接に連携してヘルスプロモーションに取り組む必要性が求められる時代となっている。

最近のトピックス

今後の展望

日本は、ますます高齢者人口が増加する超高齢社会に突入する。健康で幸せな高齢者であるために必要な環境因子は、自然環境に加えて、友達やコミュニティ、ネットワーク等の社会環境である。
「友達がいて、役割があり、社会とつながり、生きがいを持つ人が長寿」という研究成果は、日々の暮らしを根本から見つめ直し、福祉行政も考え直す必要があることを示唆している。
その意味で、今後、住民参画と協働を重視したヘルスプロモーションを展開させることが重要になる。各自治体と連携しながら、研究成果の普及とヘルスプロモーションの啓蒙が期待される。

高齢者の外出を規定する要因 高齢者の外出を規定する要因
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 高齢者支援、地域コミュニティ、福祉分野

印刷用はこちら