都市環境科学研究科

環境応用化学域

川上 浩良

最終更新日:2019/02/28

高分子化学をベースとして、エネルギー・環境・バイオの領域で、新しいバイオマテリアル、機能性マテリアルを創製する

高分子化学、機能性分離膜、機能性ナノファイバー、燃料電池、バイオマテリアル、ドラッグデリバリーシステム、人工酵素

  • 川上 浩良

  • Hiroyoshi Kawakami

研究概要

川上研究室では、高分子化学・有機化学・分子生物学を基礎として、大きく2つの領域で研究を進めている。
最近、特に力を入れているのは、環境・エネルギー問題を考慮し、それらを解決できる「環境工学マテリアルの基礎および応用に関する研究」である。
地球環境に留意しながら、拡大するエネルギー需要に対応するためには、環境工学・材料工学を基盤とした新しい材料の設計が不可欠である。特に環境問題に対応するため、生態系から超微量有害物質を高効率で分離する、あるいは地球温暖化の主原因である温室効果ガスを高効率で分離除去するなどの高機能性分離材料の創製が必要不可欠である。
これら新しい機能性分離材料を用いることにより、地球規模での環境問題(温暖化や水問題等)の解決に向け、材料化学の立場から貢献できるよう研究を進めている。
川上研究室では、この分野で大きな役割を担うであろう材料がナノファイバーであると考えている。ナノファイバーとは、第三次産業革命を起こすとまで言われている太さ1nmから100nmの間の繊維状物質で、従来の繊維にはなかった、全く新しい物理学的な性質が生まれることがわかってきた。その肉眼では判別できないほどの細い繊維を、規則的に並べる方法を開発(特許出願中)。現在の材料をそのままリプレイスすることが可能になった。
もう一つ力を入れているのが人工酵素の研究である。
人間の老化及び病気の原因となるものが活性酸素である。酸素は生命の営みに欠くことのできない物質であるが、その反面、細胞を酸化させ老化させる。その過程の中で、様々な病気の原因となることがわかってきた。とくに生体内で発生する反応性の高い活性酸素は、生体成分を無差別に攻撃するため様々な障害を引き起こす。この活性酸素を消去することができる人工酵素を、生体内に安定的に供給することができれば、老化及び病気の発生を抑えることが可能になる。

最近のトピックス

今後の展望

バイオエンジニアリング分野では、細胞工学をベースとした細胞治療、ナノテクノロジーをベースとしナノキャリアによる遺伝子治療が今後の研究の中心となる。さらに、新しいテーマとしてエピジェネティクス工学研究にも着手した。
環境工学分野では、温室効果ガス分離、燃料電池によるエネルギー等、環境とエネルギーを中心に研究を進めていく。新しいエネルギーとして注目されている水素を用いた燃料電池の実現には、プロトンを効率よく輸送する高透過プロトン伝導性膜(高分子固体電解質膜)の開発が不可欠である。そのための新しい材料設計指針、合成法に基づく新規高分子固体電解質膜の合成を進めている。
また、ナノファイバーを並べる技術から生まれる新素材を応用することで、超微量有害あるいは有用物資や生体物質の分離や、10nm以下を目指した導電性ナノファイバーの実現、プロトン伝導性を持つナノファイバーからなる燃料電池など、多方面での活用が期待されている。ナノファイバー1本の特性制御から、ナノファイバー構造体の高次構造制御を目指した研究も進めていく。

上:人工酵素(ポルフィリン錯体)
下:ドラッグデリバリーシステム(DDS) 上:人工酵素(ポルフィリン錯体) 下:ドラッグデリバリーシステム(DDS)
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 温室効果ガス分離、気体分離、燃料電池、ナノファイバーデバイス(環境、エネルギー、バイオ)、バイオマテリアル、ドラッグデリバリー

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