システムデザイン研究科

情報科学域

山口 亨

最終更新日:2019/02/28

人を理解し、見守り、支える『見守り&支援ロボット』の研究

コミュニケーションロボット、オントロジー、マルチモーダルインタラクション、知能処理

  • 山口 亨

  • Toru Yamaguchi

  • 下川原 英理

  • Eri Shimokawara

研究概要

急速に高齢化が進む日本。東京都は、2015年に65歳以上の人口が300万人を超え、都民の4人に1人が高齢者になると予測している。要支援・要介護の人に対するサポートシステムの構築を、急がなければならない状況といえる。
山口研究室では、高齢者の支援を視野に、人を理解しサポートする知的システムの研究・開発を行っている。今、ユーザーが何をしようとしているのかを理解し、「それ取って」「電気つけて」といった自然なコミュニケーションで便利なサービスを提供する知的システムの構築を目指している。
適切なサービス実現のために、一人暮らしの高齢者宅に、多数のセンサーやカメラを置いて知的化した空間(インテリジェントルーム)を作り、そこにロボットを配置することを検討している。使用するロボット「ApriPoco」は、頭部・腕部・腰部の計7箇所が自由に稼動し、音声認識・発話機能・カメラ機能を有する。高齢者を見守り、支援する知的な機能メディアとして、山口研究室が企業と共同で開発したコミュニケーションロボットである。
人のコミュニケーションにおいては、身体的なリズムの共有が重要である。そのため、ApriPocoに、人の動作に同調して動く機能を加えた。カメラから取得した画像をもとに、外部PCで人の顔と手の動きを認識し、人の動きに合わせて同じように動くのだ。この同調動作と発話機能を用いて、人を対話へ誘導し、日常のサポートをするシステムを構築した。ロボットが自ら積極的なコミュニケーションをとることで、高齢者の心身の活性化を図ることも可能となる。

最近のトピックス

今後の展望

2009年の東京都の発表によると、約80%の高齢者が元気で、介護不要である。しかし、介護保険の要介護認定・要支援認定を受ける高齢者の数は増加している。そのため、介護を要する状態への進展を防ぐ、介護予防が重要視されてくる。
70歳代以上に多い虚弱高齢者は、全面的な介護が必要な状態ではなく、心身機能の一部が弱体化しているために部分的な介助を必要としており、起立時における介助はその典型といえる。介護予防には運動機能を維持する、継続的なリハビリテーションが必要である。散歩は、適度な運動になるだけでなく、引きこもり防止や気分転換といった心身の活性化につながる。
山口研究室では、ApriPocoを中心とした知的システムの研究と並行して、日常支援型知的電動車いすを開発している。虚弱高齢者がベッドから呼び寄せることができ、起立を介助してくれる。散歩時には歩行を介助し、そして疲れたときには搭乗することもできる。
電動車いすは、主に一人暮らしの虚弱高齢者を想定している。今後は、実用化へ向けてさらに研究を重ねていく予定である。

『インテリジェントルームのモデル図』 『インテリジェントルームのモデル図』
『コミュニケーションロボット:ApriPoco(東芝製) 『コミュニケーションロボット:ApriPoco(東芝製)
『日常支援型知的電動車いす』 『日常支援型知的電動車いす』
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 介護システム、動作認識、心身評価

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