都市環境科学研究科

環境応用化学域

宍戸 哲也

最終更新日:2019/02/28

新たな高機能固体触媒の開発・設計

触媒、グリーンケミストリー、環境浄化、エネルギー変換、選択的物質変換、省エネルギー

  • 宍戸 哲也

  • Tetsuya Shishido

研究概要 貴金属やレアアースなど我国の資源リスク解消へ

 研究分野は省エネルギーでの高効率物質変換・環境浄化・高効率エネルギー変換に有効な高機能固体触媒の設計・開発である。主に固体酸塩基触媒、担持合金触媒、光触媒を研究対象としている。触媒は、現代社会で欠くことのできない機能性材料であり、都市環境改善やエネルギー問題に大きく貢献できることから、産業界でのニーズ、注目度も高い分野だ。
 例えば、産業界において最も使用される酸触媒は液体酸の硫酸だが、装置の腐食、廃液による環境負荷等の問題があり、産業界ではこれらの問題がない固体酸への転換が望まれている。また、太陽光など可視光で駆動する光触媒による選択的物質変換はエネルギー有効利用の観点から重要な課題である。
 担持金属触媒の開発も産業界からの要請が強い。例えば自動車の排気ガス処理に使用されるロジウム、パラジウムや燃料電池の電極触媒にも使われるプラチナなどの貴金属触媒や希土類などのレアアースは大半を輸入に頼っている.従って、高機能触媒の開発による、これらの貴金属の使用量の低減や汎用金属への転換は、我が国の抱える貴金属やレアアースなど我国の資源リスク解消へ資源リスク解消の観点から重要度の高い分野である。
 当研究室が現在、最も注力しているのは合金ナノ粒子触媒の開発である。文科省の元素戦略プロジェクトの一員として3年目を迎えている。合金ナノ粒子触媒は単一の金属では困難な触媒作用や構成金属元素の競奏効果の発現が期待できることから、合金触媒技術は現代の錬金術とも呼ばれている。研究上の課題は、原子数が数十から500個程度の合金ナノ粒子の構造を分子・原子レベルできちんと決定し、その機能との関連を明らかにすることだが、かなり難易度が高い。このため、SPring-8 やKEK-PF などの最先端の大型放射光実験施設を活用しながら研究を進めている。
 今後,5年ほどで実用化に近いレベルまで触媒の性能を向上させ、実際のスケールアップ試験の実施にまでこぎつけたいと考えている。ここまで来れば、企業との連携も本格化することになろう。
 産学公連携は化成品や自動車関連の企業と積極的に実施しており、企業から素材を提供され構造解析を依頼されるケースや企業が求める反応のゴールを目指して一緒に考え特許出願に至るケースもある。今後も産学公連携には積極的に取り組み、継続的な議論・協力ができる体制を構築したいと考えている。

最近のトピックス

今後の展望 硫酸代替触媒の開発と合金ナノ粒子の化学の確立をめざす

 硫酸を代替可能な固体酸の開発は継続して行って行きたい。また、金属あるいは、合金ナノ粒子の化学について、触媒反応を出口として手探りながら少しずつ確立させて行きたいと考えている。触媒をブラックボックスのままにしておくのではなく、その中身を解き明して行きたい。

産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 化学製品の効率的合成、環境浄化、燃料電池等エネルギー変換技術、バイオマス変換、機能性合金などの開発・生成、等

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