システムデザイン研究科

電子情報システム工学域

大久保 寛

最終更新日:2019/02/28

超高速GPU並列計算を利用した数値シミュレーションとリアルタイム可視化技術

GPU、イメージング、可視化高性能コンピューティング

  • 大久保 寛

  • Kan Ohkubo

研究概要

数値計算や解析シミュレーションなど、膨大なコンピュータ・パワーが必要な計算処理は、従来は日本に数ヵ所にしかないスーパー・コンピュータに頼らざるを得なかった。しかし多くの利用者が殺到するため、時間貸し(タイムシェアリング)となり、なおかつ使用は有料となる。『スーパーコンピュータ並みの計算処理を、必要な時に、必要なだけ、使いたい』という多くの研究者・実務者の希望を実現するため、音響や電磁界など波動解析の第一線で、様々な解析結果を世に送り出しているのが、大久保研究室である。
なかでも、これまで主に画像処理分野で使われてきた専用チップ、GPU(Graphics Processing Units)は、近年、処理速度の高速化、汎用言語(C言語)への対応などが進み、GPGPU( General-purpose computing on graphics processing units)と呼ばれる、GPUの演算資源を画像処理以外の目的に応用する世界的な動きが活発になっている。
「大久保研究室では、こうした動きに先んじたGPUの活用に取り組み、目的とする解析に最適化されたGPUのアルゴリズム設計や、その後のプログラム、デジタル信号の補間法の確立などを進めています」。
同研修室の最速マシンは、マルチGPUを活用することでPCに1920個ものプロセッサを搭載し、スーパーコンピュータ並みの処理速度を実現。この驚異的なハイパフォーマンス・コンピュータを使って、様々な解析シミュレーションが行われている。
現在の主なテーマは、アコースティック・イメージング。音波や電磁波などの弾性波の特性を利用して、振動・波動現象を解析し、生体内の画像化や騒音問題、建築音響、地球環境電磁界計測を利用した自然現象の監視・観測など多方面に広がっている。

最近のトピックス

今後の展望

現在もなお、GPUの性能は進化し続けている。「単純な計算を、並列して、高速実行する分野で、GPUは最適のパフォーマンスを発揮します。これまでPCで1日かかっていた処理がGPUに活用することで30分で終わるのです。まさに低電力・低コストのグリーンICT時代にマッチしたアーキテクチャと言えるでしょう。価格的にも手頃ですから普通の研究室にも導入できますし、今後さらに専用のアルゴリズムを構築していけば、幅広い分野に適用できるはずです」。
例えば生体の画像化では、医療分野への可能性が広がる。周波数が低く長時間にわたる解析が必要な騒音シミュレーションや、ホールなど大型建造物内の音響解析なども適用分野だ。さらに地震波による地中内イメージングから、宇宙物理などの分野まで、その応用が期待されている。
いわば人体から宇宙まで、幅広い分野で、超高速、超高
解像、超高精細なシミュレーションの世界が、大久保研究
室によって開かれようとしている。

研究室内のGPU搭載パソコン;一般的なデスクトップパソコンとほぼ同じ大きさでスパコン並みの計算速度を有するマシンが構築されている;GPUで最適化することで、通常のCPUで計算する場合のおよそ80倍の速度が得られている。 研究室内のGPU搭載パソコン;一般的なデスクトップパソコンとほぼ同じ大きさでスパコン並みの計算速度を有するマシンが構築されている;GPUで最適化することで、通常のCPUで計算する場合のおよそ80倍の速度が得られている。
超高速音響シミュレーションとGPGPUリアルタイム可視化技術;計算をしながら、リアルタイムで結果を画面に表示することが可能。GPUを使った計算だからできる。 超高速音響シミュレーションとGPGPUリアルタイム可視化技術;計算をしながら、リアルタイムで結果を画面に表示することが可能。GPUを使った計算だからできる。
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 音場数値解析、騒音解析、電磁環境数値解析、とその関連信号処理技術

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