都市環境科学研究科

環境応用化学域

久保 由治

最終更新日:2019/02/27

ナノ組織化を指向した機能分子系の創製と材料への応用

超分子化学、有機合成化学、ナノ材料、無機‐ 有機複合材料、化学センサー、機能性色素、有機太陽電池、π共役ポリマー

  • 久保 由治

  • Yuji Kubo

  • 西藪 隆平

  • Ryuhei Nisiyabu

研究概要

有機化学の大きな目標の一つは、原子や分子を思いどおりに組み合わせる新しい「ものづくり」の原理を構築し、その方法論に沿ったユニークな分子機能を創造することである。いろいろな部品を使って一つの作品を作る「プラモデル」になぞらえれば、ナノサイズの原子・分子を部品として組み立てる「ナノモデル」と表現できるかもしれない。
生体は、様々な有機化合物の中から目的を果たす機能を有するベストな分子を選び取った上で、並べ方や向きも含めて精密にプログラムされた集積構造を作っている。例えば、DNAの設計図に沿って望んだ物質(タンパク質)を作るという生体の高度な機能は、まさに超分子機能と言ってよい。それが機能連携して組織されれば、活動エネルギーを生産できる細胞となり、さらに集積することによって、60兆個の細胞が集まった個体(生体)となるのである。この事実から、自己組織過程の重要性が見えてくるのではないかと考えている。
こうした生体機能をヒントに、久保研究室では、合成可能な分子部品の要素間相互作用を設計することによって達成される分子組織体(超分子)を開発している。配位結合などのありふれた相互作用を利用した組織化プロセスは、常温・常圧という極めて温和な条件下で進行するので、製造プロセスは省エネルギーであり、分子ユニットの回収も容易なことから、まさに製造からリサイクルまで環境にやさしい材料となり得る。また、化学刺激受容部位を導入することで、動的に物性を制御できるソフトマテリアルへの展開が期待される。このように超分子化学の視点から「人の暮らしを豊かにする材料」の開発を続けている。

最近のトピックス

今後の展望

有機分子を材料として機能させるには、その集合構造の緻密な制御が不可欠である。分子や原子を、要素間相互作用を駆使して組み上げていく、つまりミクロの視点から入って、次にマクロの視点へと移していくような超分子的手法(ボトムアップ法)は、合目的な組織構造の発想が期待できるが、分子レベルを超えたナノからサブミクロン領域での組織化は容易ではない。トップダウンプロセスとどう融合させるかが当該分野の発展に欠かせない研究テーマとなっている。
久保研究室は、ボトムアップアプローチおよびトップダウンプロセスを協働させる方法を提案し、刺激応答性ナノ粒子や有機デバイスに有効な有機−無機複合体と規則集合可能な色素体の合成を通じて、有機デバイス分野に寄与する新物質提案をしていきたいと考える。

分子の自己組織化に基づいたナノ及びサブミクロン階層構造の構築 分子の自己組織化に基づいたナノ及びサブミクロン階層構造の構築
久保研究室でこれまでに開発された機能性材料の概略図 久保研究室でこれまでに開発された機能性材料の概略図
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例 環境浄化技術、機能性色素

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