システムデザイン研究科

インダストリアルアート学域

串山 久美子

最終更新日:2019/02/28

インタラクティブ・メディアアートの作品制作・表現と技術の研究

メディアアート、インタラクティブ、インタフェース、触覚ディスプレイ

  • 串山 久美子

  • Kumiko Kushiyama

研究概要 インタラクティブアートを研究新しい創造表現を目指す

 メディアアートは先端の科学技術を取り入れた新しい芸術表現の試みである。「レオナルド・ダビンチが、当時の先端科学技術を使って創造的な表現を試みたように、現代の私達にしかできない表現があるかもしれないと考えています」特に、インタラクティブなインタフェースの開発と表現の研究を行い、新しい創造表現を目指す。
 「表現の手段としてメディアアートに関わってきました。研究のテーマはインタラクティブアートを中心にこれからの社会のインタフェースの表現と技術を研究し、新しいデザインやアートの提案をしています」インタラクティブアートは、鑑賞者が参加できるような作品体系をしている。例えば、光学センサーを使ったインタラクティブな触覚ディスプレイの作品では、ディスプレイに触ると映像が変わる。とりわけ、触覚をテーマにした研究をしている。水の中の映像イメージはみずみずしくて冷たい感じがするが、触覚と映像を一致させた感覚を持たせたいと、『サーモエステシア』を制作した。

最近のトピックス 科学とアートが融合した温度感覚を伝えるネオアート

 情報社会の発展に伴い、人と人の直接的なコミュニケーションのあり方が注目されてきた。『サーモエステシア』は冷温感覚等の温度感覚をインタラクティブに表示できる新しいディスプレイを使用した作品である。例えば、映像が炎であれば、ディスプレイそのものが温かくなる。
 「私のスタートはアーティストなので、最終的には、皆さんが楽しめる作品として研究成果を提案したいと思っています。例えば、冷温感のディスプレイは、大阪の科学技術館で常設されていて、一般の方々が体験できるようになっています。子ども達もディスプレイで遊んだりしていますが、遊びの中から、科学やアートに興味を広げてもらえればと思います。その他、オーストリア・リンツのアルスエレクトロニカという国際的にも評価の高いメディアセンターで1年間常設もされました」国際的な科学展示やアートとしての展示でも評価が高い。
 映像と音と温度を融合させた新しい触覚刺激によって、忘れていた感覚を呼び覚ましたり、情報社会の中で触ることの意味を考えたりする媒体にもなる。さらに、冷温感ディスプレイは、日常の情報活動をも支援する触覚コミュニケーションの可能性も提案していきたい。

今後の展望 福祉、教育関連はもちろん新情報メディアとしても有望

 冷温感ディスプレイは、障害を持った人達にも楽しんでもらえる。例えば、目に障害がある人は、点字という情報手段はあったが、冷温感という別の触覚でアートを楽しめる。また、幼児に向けては、知的な刺激を与えるツールとして教育的な支援ができると期待されている。これまでになかった新しい情報メディアの創成も期待でき、日常の情報活動を支援するコンテンツの創造も可能だろう。
 現在、冷温感以外にも、綿のようにフワフワとした触感、柔らかく突かれる触感等、いろいろな触感を体験できるディスプレイを制作している。その産業界への波及効果は、映像産業だけに留まらず、広範なものになると期待される。

Thermoesthesia-2007 Thermoesthesia-2007
Transparent Blue 2006 Transparent Blue 2006
Waves 2004 Waves 2004
産業界や自治体の課題のうちで、適用可能な例

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